今回は、過敏性腸症候群患者である私の学生時代の話を書こうと思います。
もし今同じような症状に悩んでいる人の助けになれば幸いです。
そもそも過敏性腸症候群とは?
日本消化器病学会によると、「お腹の痛みや調子が悪く、それと関連して便秘や下痢などのお通じの異常(排便回数や便の形の異常)が数ヵ月以上続く状態のときに最も考えられる病気」とあります。
大腸にガンや炎症など異常がないにも関わらず、慢性的に下痢や腹痛などを発生させる病です。
英語ではIrritable Bowel Syndromeと呼ばれ、頭文字をとってIBSと言われることもあります。
10人に1人の発生頻度といわれ、比較的よくある病気です。
関連リンク>>過敏性腸症候群(IBS)ガイド|患者さんとご家族のためのガイド|日本消化器病学会ガイドライン
学生生活
以降は私の学生時代の過敏性腸症候群にまつわる体験を書いていきます。
発症
発症は中学2年生でした。
集会で体育座りをしている時のみ、お腹にガスの張りを感じるようになりました。
そして中学3年に上がる頃には、発症するタイミングがテストや授業中に拡大していきました。
下痢による腹痛や便意というよりは、ガスでお腹が鳴ったり、おならが出そうになる症状の方が強かったです。
ただ、音を出さずにお腹のガスを抜く方法を次第に身に着け、何とか学校生活を送ることはできていました。
症状の変化
高校に入っても症状は変わらず、授業やテスト中、集会などでガスに苦しめられました。
しかし、高校1年の秋ごろから、ガスから便意に症状が変化し始めます。
中学の頃から身に着けたガス抜きの技は使えず、恥ずかしさから授業中にトイレに行くこともできず、毎日冷や汗をかきながら学校生活を送ることになります。
私の症状
過敏性腸症候群は、特定の条件下で便意のことを考えてしまうと、便意に襲われてしまいます。
私の場合、この特定の条件は授業やテスト中でした。
しかし、授業やテストが終わると、ずっと感じていた便意は無くなります。
また、授業やテスト中でも、便意のことを考えず、別のことに意識があると症状が出ません。
ただ、一瞬でも便意のことを考えてしまうと、負のスイッチが入り、便意以外のことが考えられず、便意に襲われ、また便意のことを考え…という負のスパイラルに入ってしまいます。
発症タイミングから、感覚的に気持ちの問題であることは理解していましたが、症状をコントロールすることができず、どうすることもできませんでした。
過敏性腸症候群の知識
また、当時はスマホが出回り始めた頃で、過敏性腸症候群に関するネットの情報も少なく、自信が過敏性腸症候群という病を患っているかも、と知る術がありませんでした。
そもそも病気であるという考えが無く、自分だけが謎の症状に襲われているという感覚でした。
なので、保健室や医者に通う選択肢は自分の中にありませんでした。
周りの理解
毎日このような状況に襲われるので、勇気を出して、親に症状と学校に行きたくないことを相談しましたが、親もこの病のことはもちろん知らず、気の持ちようだと無理やり学校に送り出されます。
友人には恥ずかしさでこの症状のことを打ち明けられません。
誰にも話せず、話しても理解されない、謎の症状とこれからずっと戦っていかなければならないのか…と絶望的な状況でした。
診断
ある日の授業中、どうしようもない便意に襲われ、ついに意を決して授業を抜けて保健室に向かいます。
保健室の先生に事情を説明すると、「過敏性腸症候群って知ってる?」と言われ、そこで初めて過敏性腸症候群という病気、自分がその病気を患っている可能性を知ります。
翌日、学校を休んで医者に行き、そこで過敏性腸症候群と診断。
発症から3年ほど経った、高校2年生の秋ごろでした。
診断後の生活
診断され、イリボーが処方されましたが、実際のところ症状はあまり改善されませんでした。
ただ、病気を理由に、症状がつらいときは保健室に行ったり、学校を休んだりという選択ができるようになったので、そこは大きな進歩でした。
1週間の授業時間のうち、5分の1ぐらいは保健室に通っていた気がします。
また、診断されて以降、集会は出席せず、すべて保健室で過ごしました。
おそらく内申的には最悪だったと思います。
大学受験
大学受験でも症状に襲われました。
センター試験の最後、数2Bで症状が出てしまい、理系なのに50点ほどしか取れず、センター利用に全て落ちました。
私立の一般や国公立大の前期試験でも同様に症状が出て、思うように問題が解けず落ちました。
正直メンタル的にボロボロでした。親に当たり散らかして1日泣いていた記憶があります。
大学生活
結局、面接で入学できる大学に最後の最後で受かり、そこに進学します。
大学では過敏性腸症候群に悩まされることはほとんどなくなりました。
講義は高校までの授業とは違い、自由に抜けることができるなど、そこまで緊張感を感じなかったのが大きいのかと思います。
ただ、やはりテストのときは症状に襲われました。
とはいっても頻度は年に数回なので、大きなストレスとはなりませんでした。
まとめ
そして今の社会人生活ですが、ほぼ在宅のため、症状に悩むことはほぼありません。
今振り返ると、中学高校時代が一番、過敏性腸症候群に苦しめられた時期だったと思います。
私は薬を飲んでも改善しなかったので、対応策としてはひたすら我慢するか、保健室に逃げるかしかなかったのが、かなりつらかったです。
ただざっくり振り返っただけですが、この記事が誰かの助けになれば嬉しいです。